ブログ

2003 学会50周年記念国際シンポジウム

日本社会教育学会50周年記念事業について


○日時
 2003年9月13日(土) 18:00~ 
 日本社会教育学会主催レセプション 会場:早稲田大学

 9月14日(日) 10:00~16:30
 国際シンポジウム 会場:日本青年館

○テーマ
 「社会教育と持続可能な発展:グローバル化するアジア地域における課題と可能性」


○プログラム
 9:15 受付開始

 第一部
 10:00 開会 司会 上村千賀子 (群馬大学)
       開会あいさつ 日本社会教育学会会長 島田修一 (中央大学)
       来賓あいさつ 日本青年団協議会 全日本社会教育連合会
 10:20 基調提案 前平泰志 
            (京都大学、日本社会教育学会国際シンポジウム実行委員会)
 10:50 休憩
 11:00 記念講演 ウザ・ドゥアンサー
            (タイ・チェンマイ大学、アジア南太平洋成人教育協議会会長)
 12:15 昼食休憩

 第二部
 13:30 パネル討論
       コーディネーター 笹川孝一(法政大学)
       パネリスト    韓国 金 信一 (ソウル大学)
                中国 韓 民 (国家教育発展研究センター)
                タイ ウサ・ドゥアンサー (チェンマイ大学)
                日本 佐藤一子 (東京大学)
 15:00 コーヒーブレイク

 第三部
 15:20 自由討論 指定討論者(交渉中)
 16:30 閉会あいさつ 上杉孝實(龍谷大学、前日本社会教育学会長)
 終了

○使用言語
 日本語・英語 (同時通訳あり)



○参加申し込み案内
 

○国際シンポジウム開催にむけて
 日本社会教育学会は1954年に創設されて以来、日本の社会教育の現場にそくした研究を中心として、理論研究、比較研究、歴史研究、実践研究を推進してきました。現在、会員数は約1千名となり、15の教育関連学会のなかでも日本教育学会、日本教育社会学会につぐ3番目に大きな学会に発展しています。
 2003年9月に第50回大会を迎えるにあたり、私たちはアジア地域の成人教育の分野で活躍する研究者、実践者を招いて国際シンポジウムを開催します。この機会に日本の社会教育研究をアジアの諸課題に照らしてグローバルな視野からとらえ、アジア諸国民の平和と福祉、持続可能な発展にむけて成人教育・コミュニティ教育の果たす役割を共に探りたいと考えます。
 国際シンポジウムのテーマは、{社会教育と持続可能な発展:グローバル化するアジア地域における課題と可能性」です。このテーマにそって、日本社会教育学会国際シンポジウム実行委員会による基調提案をおこない、アジア南太平洋成人教育協議会(ASPBAE)会長のウザ・ドゥアンサー氏(Usa Duongsaa)の記念講演を企画しています。また、中国から韓民氏、韓国から金信一氏をゲスト・スピーカーとして招き、ウザ・ドゥアンサー氏、日本側パネリストをまじえてパネル討論をおこないます。
 国際シンポジウムでは、とくに以下のような趣旨でアジア諸国との研究・実践交流をおこない、相互理解を深め、今後の交流を活発にしたいと考えます。
 第二次大戦後、日本では平和憲法と教育基本法にもとづき、学校教育とならんで社会教育の重要性が認識されてきました。人権を尊重し、市民の主体的な社会への参加を促進するために地方自治の本旨にそくして社会教育の制度化がはかられてきました。
 この根底には・社会の民主的な発展において社会教育がきわめて重要な役割を果たすという考え方があります。地域活動や文化活動、平和・人権・環境問題などの諸課題と結びついた社会教育の学習も活発にとりくまれてきました。
 しかし、他方では在日韓国・朝鮮人やアジアその他の国々から日本に来た外国人の人権や教育要求に対して十分な制度的保障がなく、民族差別や植民地統治についての歴史認識をふまえ、市民が相互理解を深めるような学習活動の展開は弱かったといます。アジア諸国との社会教育研究の交流も十分おこなわれてきませんでした。
 1980年代以降経済のグローバル化が進展し、国際競争が新たな矛盾を生み出しています。発展途上地域の急激な経済発展と教育課題、アジア全体の持続可能な発展の問題に直面して、NGOの立場で環境保護や女性の自立、開発教育、多文化交流にとりくむ国際的な活動も発展をみています。
 北京女性会議やユネスコの国際成人教育会議、環境・開発問題をめぐるリオデジャネイロ・サミットやヨハネスブルグ・サミットなどにおいて、持続可能な地域発展と女性・青少年のエンパワーメントにむけた成人教育・コミュニティ教育の役割が問われています。
 今回の国際シンポジウムでは、このようなグローバリゼーションのもとで、とくに21世紀国際社会において共有すべき地域発展のありかたとアジア的な社会構造の認識をふまえて・成人教育の実践や研究の課題・方法についての相互理解を深めたいと考えます。
 シンポジウムにおいてそれぞれの国の独自の蓄積や方法が明らかとなり、成人教育研究の国際的協力のための新たなとりくみの方向性が共有されることを期待しています。

佐藤一子 (副会長・東京大学)