プロジェクト研究

新プロジェクト研究運営委員の募集(DX時代の社会教育・生涯学習の課題)【11/30期限】

会員各位

 

             新プロジェクト研究メンバーの募集

 

 今年度より、新たに「DX時代の社会教育・生涯学習の課題:「リテラシーの多元性」と成人の学習を考える」をテーマとするプロジェクト研究が立ち上がります。広く会員間に開かれた研究を進めていくために、関心のある会員をプロジェクトメンバーとして公募いたします。プロジェクトメンバーは、プロジェクト研究の推進に係る6月集会、研究大会における企画準備、公開研究会の開催などの運営を中心的に担っていただきます。メンバーの選定にあたっては本プロジェクト研究提案者と研究担当理事によって地域、ジェンダー、年齢などのバランスを加味して、理事会に推薦のうえ決定いたします。

 本プロジェクトの趣旨を踏まえ、プロジェクト研究への参加を希望する会員は、応募要領をご参照のうえ学会事務局までご応募ください。応募結果につきましては、改めて研究担当理事より連絡いたします。

 

●メンバーを公募するプロジェクト研究

 テーマ「DX時代の社会教育・生涯学習の課題:「リテラシーの多元性」と成人の学習を考える」

【趣旨】

 今日、社会のデジタル化は急速に展開しており、多様な側面において社会開発の主要課題となっている。ユネスコは2000年代初頭から「リテラシーの多元性(plurality of literacy)」を強調するようになった。その背景としてデジタル社会の到来を考慮するものであり、これまでとは異なる新たなリテラシーの習得とその活用の社会的文脈に着目する必要性をもたらした。多元的リテラシーの土台となっているのはデジタルテクノロジーであり、社会のデジタル化はリテラシー運動や国の政策に大きな影響を与えている。教育活動においても同様であり、例えば、文字の読み書きに困難を抱える人々にとってもデジタル化は市民社会への参画を促し、社会を変革する機会と力をもたらすものである。同時にこのような概念の変遷は、従来型の文字の読み書き学習に限定された「リテラシー(識字)」ではとらえることができない、その限界を指摘するものとしても受け止められよう。

 とりわけ、開発途上国では安価なデジタル端末の普及により、急激に社会のデジタル化が進みつつある。デジタル端末を活用し、映像を含むデジタル情報を読み解く能力としてのデジタルリテラシーは「文字の読み書き」としての「識字」という訳語をあてることが困難になりつつある。ユネスコは「リテラシー学習におけるICTの利用は、単に初期習得の手段を提供するのではなく、むしろスキルを強化するものであることに留意することが重要」と指摘する。つまり、ICTは識字学習のための単なる手段ではなく、リテラシーの強化そのものである。また、リテラシーとSDGsの関係についても指摘しており、「リテラシーの推進(初期習得、リテラシースキルの強化、新たな領域での活用)は、SDGsアジェンダ全体にわたる取り組みが展開する手段のひとつ」であると述べている。

 このことは、デジタルテクノロジーとリテラシーとの関係を考える際には極めて重要なことである。デジタル機器の操作方法を理解することは、リテラシーの本質的な意味であるコミュニケーションへとつながり、社会への参加を可能にする。さらに、ユネスコ教育勧告2023は、デジタルリテラシー、メディア情報リテラシー、グローバル・シティズンシップを統合することによって、偽・誤情報が民主主義を侵食する世界的な課題への対応を求めている。既に、バングラデシュやネパールなどの成人の識字率が低いとされる南アジア諸国の識字教育や様々な成人教育の活動において、ICTを活用した多様な学習活動が展開されている。中でも、途上国政府は従来型の紙とペンによるリテラシープログラム(文字の読み書き学習)にとどまらず、「デジタルリテラシー」を高めていくことを政策として実施している。偽・誤情報問題もまた発展途上国ではより一層大きな政治的課題となっている。

 今日、デジタルテクノロジーを活用することにより、社会とのつながり、民主主義の下で市民社会への社会参加について学ぶことが求められている。 本プロジェクトでは、デジタルテクノロジーを活用して社会の仕組みや環境を変革していくDX(デジタルトランスフォーメーション)時代における社会教育、生涯学習の課題について、多元的リテラシーの観点から成人の学習のあり方を検討する。

 

≪応募要領≫

1. メールの表題に「新プロジェクト研究運営委員への応募」と記載してください。

2. 以下の内容についてまとめたワードファイルを添付の上、メールでお送りください。

 ・氏名(ふりがな)

 ・所属

 ・連絡先(メールアドレス)

 ・プロジェクトのテーマに関連する研究あるいは実践の業績(1点以上についてタイトル、掲載誌、執筆年)

 ・プロジェクトのテーマに関連する研究関心(400字程度)

3. 応募締め切り  2025年11月30日(日)(必着)

4. 結果の通知   2025年12月24日(水)までに通知します。

5. 応募先 日本社会教育学会事務局 jssace.office@gmail.com