プロジェクト研究

プロジェクト研究「男女平等・ジェンダー公正をめぐる課題と社会教育の可能性」公開研究会のご案内

【公開研究会のご案内】『つくられる〈農村女性〉:戦後日本の農村女性政策とエンパワーメントの物語』をめぐって

『つくられる〈農村女性〉:戦後日本の農村女性政策とエンパワーメントの物語』(岩島史、有志舎、2020年)の内容をレビューした上で、その内容について社会教育の視点からコメント・意見交換を行います。(主旨は末尾を参照してください)

○日時:2025年11月21日(金)18時30分~21時(オンライン)

○報告者:千葉悦子さん(福島大学名誉教授)、木下卓弥さん(石巻専修大学)

○企画:プロジェクト研究「男女平等・ジェンダー公正をめぐる課題と社会教育の可能性」
(辻智子・北海道大学、tsujitomoko@edu.hokudai.ac.jp)

○参加申込:tominagatakahiro@gmail.com(冨永貴公(都留文科大学)まで)
※開催日の数日前にオンラインのアドレスをお送りします。

○主旨
3年目に入ったプロジェクト研究「男女平等・ジェンダー公正をめぐる課題と社会教育の可能性」では、地域社会の意思決定過程や自治の場におけるジェンダー公正とそれに伴って生じる諸変化をとらえそこでの学習の可能性を探ることを課題に設定している。年報『ジェンダーと社会教育』(2001年)が残した研究課題として「農村」「農業」「地方」の視点を確認した私たちは2024年六月集会で次の問題提起を行った。
「農業分野では女性農業者への政策が進んだ。生活改善普及事業の縮小に対し、女性農業者個人のネットワーク化への動きを政策が後押しするようになった。職業として農業を選択する若手女性の増加が課題とされ、「農業女子プロジェクト」など2010年代以降の農業政策は個別化する女性農業者の課題解決や自己実現に寄与するものと評価されている。その一方で、「女性らしさ」の強調による性別役割の固定化、プロジェクトに参加が困難な「嫁」と活動する「若い女性」の二分化および「農業女子=若い女性」という印象の助長などの問題も指摘されている」。
 こうした状況の中で社会教育実践および研究の可能性を探る議論の端緒として本研究会を企画した。ここで取り上げる書籍は、農業経済学の視点から、社会教育や生活改良普及事業の文脈における「エンパワーメント」の「物語」を批判的に論じるものである。こうした見解をどのように受けとめるのか、どのように応答するのか、それを考えることで社会教育の可能性を考える機会としたい。