国際交流案内

2008年9月の記事一覧

コメント募集について

◎日本政府作成ナショナル・レポートの公開、及び、文科省主催意見交換会(10/1)にむけたコメント募集について

<日本政府作成ナショナル・レポート(日本語版)が公開されました>

 9月13日に行われた「第6回国際成人教育会議のための国内草の根会議」の第1回集会で、日本政府作成のナショナル・レポートのドラフト(日本語版)が配られました。(「国内草の根会議」についてはこちらを参照)

 また同じ席で、文部科学省による「成人教育ナショナル・レポートに関する意見交換会」(10/1)の案内が示されました。これは文科省担当者が成人教育の関係団体からナショナル・レポートについての意見を聞く会で、本学会からは常葉-布施美穂(国際交流担当理事)が出席します。

 当初、ナショナル・レポートは8月上旬~中旬に完成し公表されるのではないかという情報がありましたが、実際には大幅にずれこみ、日本語版は9月上旬に完成したもようで、その後英訳作業にまわされ、現在ではほぼ英訳作業も完了していると推測されます。今後は、10月1日の「成人教育関係団体との意見交換会」を踏まえてナショナル・レポート(英訳版)に修正が加えられ、10月6~8日のCONFINTEA Ⅵアジア太平洋地域準備会議(於ソウル)に持ち込まれるとともに、ユネスコ生涯学習研究所(UIL)にも提出されるものと思われます。


<日本政府ナショナル・レポートへのコメント募集>

 上記の文科省主催意見交換会では、各団体内でナショナル・レポートについての意見・質問等を集約し文科省担当者に伝えることになりますが、この度、本学会としてのコメントを集約するため、専用のメールフォームを設置しました。

 まず上記のメールフォームにアクセスしていただき、説明をお読みの上、ナショナル・レポートについての皆さまのコメント(修正案・意見・質問等)を該当のボックス内に記入し送信して下さい。ご記入頂いた内容が国際交流担当に届きます。コメントは同担当にて、お名前を出さない形で集約します。

※ナショナル・レポート(PDF版)のダウンロードはこちらから

※ナショナル・レポートは、ユネスコ生涯学習研究所による「ナショナル・レポート作成のためのガイドライン」に沿った形式で作成されていますが、日本のレポートではガイドラインの「I. 概観」に対応する部分がないため、「II. の1.1(法規上、政策上、行政上の枠組み)」から報告が始まっています。
 ガイドラインの内容をご覧になりたい方は、以下のサイトにアクセスして下さい。

 
 また、既に提出された他国のレポート(PDF版)はこちらよりダウンロードできます。


 ナショナル・レポートへのコメントはしばらく継続的に募集しますが、10月1日に開かれる文科省主催「成人教育ナショナル・レポートに関する意見交換会を第1次集約の機会といたします。
 この意見交換会では、団体ごとに集約した意見を事前に文科省に送信することになっていますので、コメントを間に合わせたい方はできるだけ早く送信下さいますようお願いいたします。

 また意見・質問の他に、参考文献のコピー等を文科省担当者に送りたいという方は、常葉-布施宛に郵送頂ければまとめて文科省担当者にお渡しします。詳しくは、上記のコメント集約用メールフォームにアクセスし、国際交流担当宛にその旨メッセージをお送り下さい。

 多くの皆さまからのコメントをお待ちしています。

 なお、本学会は国内草の根会議の呼びかけ団体となっておりますので、ナショナル・レポートの公開およびコメントの募集について、周囲の社会教育・生涯学習の関係者の方々にも、学会内外を問わず是非お知らせ下さい。学会外からの意見も、個々の学会員が窓口となり吸い上げる形でお寄せ頂ければ、文科省に伝えることが可能です。
 どうぞよろしくお願いいたします。


<民間のシャドー・レポート“CSOナショナル・レポート”へ向けて>

 さて、10月1日の意見交換会によってどれだけナショナル・レポートが修正されるかという点に関して言えば、あまり大きな書き換えは期待出来ないというのが現実です。これは、10月6日からソウルで行われるCONFINTEA Ⅵアジア太平洋地域準備会議に間に合わせるためすでにナショナル・レポートの英訳作業がほぼ完了していると思われること、レポートの分量を抑えるようにとのユネスコ生涯学習研究所からの要請があり大幅な増補が難しいこと、あくまでも政府がオーソライズするレポートであること、等がその理由です。

 しかし全く修正が期待出来ないという訳ではなく、具体的・積極的・簡潔な提案(例えば文章・記述の具体的な修正案や紹介すべき実践例、文章の英文訳等の提示)であれば、レポート修正に反映してもらう可能性がより高まると思われます。

 また、本学会からコメントを伝えることは、日本の成人教育・学習の現状と課題について文科省担当者に認識を深めてもらう大変よい機会になると考えます。特に、10月6日からソウルで行われるCONFINTEA Ⅵアジア太平洋地域準備会議において、政府代表として参加する文科省担当者が日本の“national qualification and training system for specialists of non-formal education”(社会教育主事資格?)についてパネリストとして発表するもようであり、今回の意見交換会では、学会員からの意見・質問がこうした担当者へのインプットとしても活かされるのではないでしょうか。

 さらに、「CONFINTEA Ⅵのための国内草の根会議」第1回集会において、政府作成のナショナル・レポートとは別に日本の「CSOナショナル・レポート」(民間のシャドー・レポート、CSO=Civil Society Organization)を国内草の根会議で作成することが決まりました。今回皆さまから寄せていただくコメントは、このCSOナショナル・レポートに活かされることにもなります。

 インド、フィリピンではすでにCSOナショナル・レポートが作成されつつあります。完成版が入手できましたらまたご案内いたします。


<関連リンク・情報>

日本ユネスコ国内委員会への働きかけについて

◎ナショナル・レポートと学会からの日本ユネスコ国内委員会への働きかけについて

 来年のCONFINTEA本会議、および、今年の秋に世界各地域で行われる地域準備会議に向け、各国で成人教育の現状に関する「ナショナル・レポート(National Reports on the Development and State of the Art of Adult Learning and Education in Preparation of CONFINTEA VI)」が作成されています。
 このナショナル・レポートはCONFINTEAの会議や報告書の基礎的資料となるもので、各国のユネスコ国内委員会が作成を担当し、ユネスコ生涯学習研究所(UIL=UNESCO Institute for Lifelong Learning、旧UIE=UNESCO Institute for Education)に提出することになっています。
 既に提出されたナショナル・レポートはUILのサイトで公開され、ダウンロードも可能です。


 提出締切(4月30日)は過ぎていますが、まだレポート作成途中の国もあります。日本も現在、本年10月に韓国で行われるアジア太平洋地域の準備会議に向けレポートの作成途中にあるもようです。

 さて、今回のCONFINTEAでは、ナショナル・レポートを準備するにあたっての「ガイドラ
イン」がUILより各国に通知され、多様な関係団体・組織(省庁、市民団体、NGO、大学、民間セクター等)を巻き込み、国内での幅広い対話を促進せよという方針が示されています。ナショナル・レポートの締切は当初3月末でしたが、準備プロセスを十分機能させることを求める声があがったため、4月30日に1ヶ月延長されました。
 このような中、本学会としても、ガイドラインにのっとった対話の場の設置を求める以下の要望書を、4月20日付けで日本ユネスコ国内委員会事務局(文科省内:http://www.mext.go.jp/unesco/index.htm)あてに常任理事会名で提出しました。


------------------------------------------------------------------------------------


  CONFINTEA VIにむけたナショナル・レポート作成のプロセスに関する要望

                2008年4月20日
日本社会教育学会常任理事会


日本ユネスコ国内委員会 御中

拝啓 時下ご清祥のことと存じます。
 本学会は1954年(昭和29年)10月に設立され、社会教育や生涯教育・生涯学習の研究者、社会教育行政や公民館・図書館・博物館などの職員、大学院生、社会教育のボランティアやリーダー、学校の教員等、様々な立場の会員1000人近くを擁する全国的な学術団体です。
 貴委員会では現在、4月30日の締切に向け、CONFINTEA VIのためのナショナル・レポートの準備を進めていらっしゃることと思います。
 ご存知の通り今回のCONFINTEAは、ナショナル・レポートを準備するにあたってのガイドラインがユネスコ生涯学習研究所(UIL)より出され、成人の学習・成人教育の活動の多様性に鑑み、その実態と課題を十分に把握するために様々な関係団体・組織(省庁、市民団体、NGO、大学、民間セクター等)を巻き込み国内での幅広い対話を促進せよという方針が示されています。
 UILがナショナル・レポートの提出締切を4月30日に1ヶ月延長する措置を取ったのも、いくつもの国の委員会から「この対話のプロセスを十分機能させるためにもっと時間が必要である」という声が挙がったためと聞いています。
 つまり今回のCONFINTEAでは、各国が自国の成人の学習・成人教育の現状と課題をいかに認識し把握しようとするのか、その姿勢とプロセス自体も問われていると言えます。
 また、多様なステークホルダーが出会い対話できるような場の創造は、単に今回のナショナル・レポート作成のためのみならず、今後日本でより豊かな社会教育・生涯学習政策が実現されるためにも、非常に意義のあることと考えます。
 したがいまして、本学会常任理事会は、ナショナル・レポート作成の過程および作成後の段階において多様な団体・組織をまじえ情報共有・意見交換が行われる機会が設定されることを貴委員会に要望いたします。
 またこうした機会は、関係する団体・組織が全国各地に存在していること、及び、ナショナル・レポートの提出期限まで時間的余裕がないことから、会議形式をはじめ、パブリックコメント等あらゆる手段を活用して実現されるべきと考えますので、ぜひこの点もご配慮頂きますよう、お願いいたします。       
                                        敬 具
                   
日本社会教育学会 常任理事会




参考:ナショナル・レポート作成にあたってのUILのガイドライン 
6th International Conference on Adult Education (CONFINTEA VI):National Report on the Development and State of the Art of Adult Learning and Education(ALE)の「イントロダクション」より抜粋

7. Given the dispersed nature of adult learning and education, consistent and comparable data of good quality are often lacking. An assessment of the overall situation, therefore, requires information and data from a range of different sources. When preparing your national reports, please take into account the full variety of sources in your country and form a concerted effort of governmental (including ministries of education, labour, health, agriculture, gender, culture, sports and leisure, social welfare, finance and economy, and foreign affairs), 
non-governmental, public and private actors, trade unions, social partners and bilateral and multilateral development agencies. 

8. It is important to use this exercise to create a national dialogue involving all stakeholders (various ministries providing adult education, corporate and unions, NGOs and Civil Society Organizations, private providers, UN agencies, bilateral and 
multilateral development agencies etc.). We thus strongly encourage you to do this with the help of a national committee with representatives of all stakeholders, and have the findings validated through a national conference. 


------------------------------------------------------------------------------------


なお、上記要望書にもあるレポート締切の1ヶ月延長の件については、UILのサイトで以下のようにアナウンスされています。

"CONFINTEA VI National Reports: date for submission extended by one month"

The National Reports on the Development and State of the Art of Adult Learning and Education in Preparation of CONFINTEA VI will help to draw an accurate picture of the complex realities of adult learning and education and identify key issues and messages to be drawn to the attention of the International Conference.

In a message sent out to all National Commissions for UNESCO, the Director of UIL reiterated the invitation to Member States to use the preparation of national reports to create a national dialogue involving a wide range of stakeholders, including NGOs/CSOs, corporate institutions and the private sector. He underlined that this process should be steered by a representative working group or committee, and a national workshop or conference should be held to validate the findings.

In response to requests from a number of National Commissions asking for sufficient time to engage in the activities underlined above, e.g. holding a national workshop, the date for submission of the reports was extended to the end of April 2008.



<関連リンク・情報> 
*ナショナル・レポート作成のためのガイドライン
  http://www.unesco.org/uil/en/nesico/confintea/confinteaIVIrep.htmの右上から全文ダウンロード可能です。

また荒井容子会員より、ガイドラインの邦訳を作成し・サイト掲載したとの情報を頂きました。
 http://prof.mt.tama.hosei.ac.jp/~yarai/index.htmlからアクセスできます。
  
*日本ユネスコ国内委員会事務局(文科省内)